昨日は84プロジェクトの集まりで、南国市白木谷の四方竹農家を訪ねた。僕が鏡村で見る四方竹とはまるで別物だった。ただの竹林ではない。70アールにわたり、しっかり手入れがされた「四方竹プランテーション」だったのには驚いた。

まずはこの豊かな竹の葉をごらんいただきたい。竹の葉を繁らせるにもちょっとしたこつがあるのだ。

案内してくれた川村さんによると、そもそも四方竹は食べるものではなく、観賞用として明治時代に中国からもたらされた。秋にタケノコが生えることが珍し く、地元では秋の神祭などでゆがいて食するようになったが、大量に「生産」するようになったのはつい最近のことらしい。道理で妻も高知に帰ってくるまでは 存在すらしらなかったはずだ。

今では関西を中心に秋の高級食材として珍重される四方竹ではあるが、そもそもとってから数時間内にゆがかないと酸化してまっくろになることから、加工が難 しかった。30年ほど前に、ある農家が、皮つきのままでゆがくと黒くなることがないうえ、皮もはぎやすいことを発見し、商品として市場に出ることになった そうだ。

大阪や東京でもその存在が知られるようになり、注文が殺到、白木谷地区で竹林を整備して「栽培」に乗り出した。一人のひらめきから、生産地区になるまで、 当然試行錯誤があったはずだ。失敗も多くあったはずだ。だが、「やってみよう」というところ「始めた」白木谷は四方竹の産地として名をなすようになった。

そうそう、竹の葉を繁らせるこつとは、川村さんによると、青竹のうちに頂上を切ってしまうだけなのだそうだ。何事も「ひらめき」そして「始める」ことがなければ、何も始まらないことを学んだ一日であった。