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町づくりに外国人の発想をという初夢

2008年01月05日(土)
萬晩報主宰 伴 武澄
あけましておめでとうございます。まもなく萬晩報は満10年を迎えます。ことしもよろしくお願いします。

昨年来考えていることは、日本の物価水準が世界的に安くなっているのではないかということでした。日本経済新聞の新年企画は「YEN」から始まりました。アジアの人たちが日本で買い物天国を楽しむさ風景はまさに20年前の金満ニッポン人が欧米で繰り返したビヘイビアでした。

日本の物価が高い、人件費が高いといっていた時代はとうの昔に終わっていたのです。47ニュースの編集で頻繁に目にする地方紙の記事はアジアからの勧告客誘致です。正月にも山形新聞は蔵王での韓国からのスキー客誘致の話題がトップでした。

日本の半分以上の地方空港には韓国の大韓航空やアシアナ航空の機体が並んでいます。不思議なのはそこにJALやANAのマークが少ないことです。

国境を海で閉ざされた国民の習性でしょうか、日本の国際化は日本人が外国に出向くことでしかありませんでした。日本に外国を招くことは日本人の国際化にはほとんどなかったのです。いまやアジアの国々から100万人単位の観光客がやってきています。それも年々二けたペースで増え続けています。

中国人などは昨年3000万人もの海外渡航者がいたという話です。すでに日本の海外渡航者を上回っています。たぶん世界有数の人数だと思います。その中国人を日本に迎えないで、何が観光立国なのか。そう考えざるを得ないのです。

年頭に買い物をしたヨドバシカメラでは、中国語、韓国語だけでなく、ドイツ語、フランス語、スペイン語などでも店内放送をしていました。20年近く前、新宿の百貨店で韓国語や中国語放送を始めるというニュースを取材したことがあります。隔世の感があります。

姉が勤務する高知県のある大学では大学院生の3分の2が外国人でその半分が中国人だということです。その大学では中国人学生なしではもはや経営が成り立たないのです。姉の仕事は中国を始めアジアの大学との提携関係を強化して学生を高知に“誘致”することなのです。

秋に何回か訪れた群馬県大泉町では日系ブラジル人によるマイホームブームが始まっていました。日系ブラジル人たちは出稼ぎから定住に切り替えつつあるのです。この町では住民の一割以上が外国人、つまり日系ブラジル人になっています。イギリスやドイツ、フランスなどと同じ水準になっているということです。役場で聞いた話では「少し前まではゴミの捨て方などを指導していたが、今では自治会活動などに積極的に参加している」ということなのです。

一時期、オランダ村、ドイツ村、デンマーク村などテーマパークが各地で生まれました。異国情緒を国内に持ち込んで国内の観光客を誘致しようと考えたのですが、多くが失敗に終わっています。逆に本当に外国人たちが日本の各地に住み込むようになる。そんなことは考えられないのか。町づくりに外国人の発想を導入すればおもしろいことになるかもしれない。そんな初夢を描いています。

室蘭で中華街をつくる構想が浮上しています。実はある中国企業が熱心にそのプロジェクトを推進しているのです。
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