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泥縄に過ぎやしないか民主党の新代表選出

2005年09月19日(月)
萬晩報主宰 伴 武澄
 総選挙から一週間がたった。民主党の代表選挙はほとんど関心がなかった。大敗した政党の代表の責任論と去就はともかく。立て直し役の選出が連日新聞の一面トップを飾るなんて笑止ものだ。それこそ静かに時間をかけて行うべき作業で、フラッシュライトを浴びるような立場にはないはずだ。前原誠司氏という若い世代が新しい代表に選ばれたことはめでたいことだが、勘違いをしてもらっては困る。

 解党的出直しとして新しい民主党の代表を選ぶのだったら、議論を闘わせた上で、前回同様に党員・サポーターによる代表選びをするべきだった。特別国会に党の代表が必要なら、適当な人を代表代行にして、首班指名も自由投票ですんだはずだ。どうころんだって民主党から首相が生まれるはずはないし、郵政民営化法案の審議で与野党が真っ向から対決することもないのだから、当面は代行で十分だ。泥縄式に両院議員総会で代表選びをしたことは国民的政党の意に反する行為だったと思う。

 仲間うちで、総選挙での民主党の敗因を議論するなかで「そもそも民主党の党員って聞いたことある?」という疑問に突き当たった。調べてみると前回、岡田さんが選ばれた代表選挙当時の党員はたった3万人しかいなかったそうだ。

 今回の自民党のように造反すべき組織すらなかったというのが残念ながら、民主党の現在の地方組織ではないかと思う。

 民主党は烏合の衆であることはことあるごとに指摘されてきた。なんとはなしにムードが先行して「二大政党」の片方の雄のような気持ちにさせられていたが、よく考えると党員が3万人ではどうにもならない。労働組合への依存から脱却したら実は何もなくなるかもしれないほど基盤が脆弱なのだ。

 日本共産党だって党員が40万人いて、全国支部が2万4000もあるのだそうだ。機関誌「アカハタ」は日曜版を含めると173万部なのだそうだ。共産党並みとはいわないが、国民政党としてずかしくない党員と地方組織の整備が急務だと思うのだが、どうだろうだろうか。そう日刊の機関紙の発行も不可欠かもしれない。

 解党的出直しを余儀なくされている民主党にいま必要なのは風に吹き飛ばされないような全国組織の確立なのだ。そう思えて仕方ない。民主党には労組からの上納金があるかとどうかは知らないが、日常の党の運営費ぐらいは党費なり機関誌の購読料から賄えないと国民的政党とはいえない。

 一方で自民党の地滑り的大勝により郵政民営化は国是となってしまった。“国民投票”で決まったのだから、もはや衆・参両院の議論は不要であろう。粛々と衆・参本会議だけで決着させたらいい。犯人とトリックが分かってしまった推理小説をもう一度読むバカはいない。やったふりの委員会審議のやりとりは国民としても聞きたくないだろう。

 それにしても郵政民営化反対を唱えて無所属で立候補し当選した議員さんたちに問いたい。「あなたたちに投票したのは小泉さんが嫌いかもしくは郵政民営化に反対する人たちでしょう。どういう顔で首班指名で小泉さんに投票できるのですか」。せめて次の選挙までは自らの主張を貫かないと投票してくれた有権者を裏切ることになる。

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