魁け討論 春夏秋冬


消し止め成ったバルカンの戦火

1999年06月17日
 元中国公使 伴 正一

ご意見
 どうなるかと気を揉ませた政治的解決。その達成直後の2つのテレビ番組で、「どちらの勝ちか」が議論されていたのには開いた口がふさがらなかった。

 ユーゴの国営通信が「勝った」「勝った」を連発するのなら分らないでもないが、日本で、しかも筑紫哲也くらいのジャーナリストがこんな問いかけをするなどとは思いも寄らぬことだった。

 空爆で叩きのめされた挙句、自国の一州を他国の軍隊に引き渡して撤兵する。それで、NATOの和平条件を拒否して抗戦を続けただけの成果が挙ったと言えるのか。学者がひねり廻した理屈などに囚われないで、日本のマスコミはもっとツボを押さえた戦争の見方を身につけなくてはならない。

 私の見るところをいくつか簡潔に述べてみよう。

  1. 第2のミロシェヴィッチ出現の可能性を遠のかせ得た。
    このことは、世界平和への重要な布石と考えていいことだ
  2. (大国が狂暴化したときの手立てには程遠いが)
    普通の国の場合なら空爆だけでかなりのところまで
    痛い目にあわせることが可能であることが分った。
    このことは紛争防止措置を手際よく発動させる精神的環境を整えたことになる。 
  3. ボスニア、コソボ級の修羅場になると、重武装の戦闘部隊の出番は避けられない。
    PKO前提に機銃1挺で足るとか足らないとかの論議ばかりしていては、
    平和の実務感覚は育たない。



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