萬晩報トップ
萬傘会
ばんさんかい
1998/06/28
 山中和
 
 梅雨の始まりを告げるような雨の中、第1回萬晩報FORUMが6月21日(午後2時から7時)、大阪で開催されました。このページでは会の様子や雰囲気、またどんな会話や議論がなされたかを中心に紹介したいと思います。どうぞくつろいでご覧下さい。
会場の様子
 36人の出席となりました

 
 やはり日頃インターネットを使っている人が集まっているためか、コンピュータ関係、プログラム関係の仕事をしている人が多かったのですが、その他にも記者・医師・製造業・出版業・研究員・学生など、多彩な職業と年齢層の人達が、北海道、東京、埼玉、三重、大阪、京都、兵庫、岡山、香川から集まりました。

1.開会

1-1 司会者挨拶
<14:10、ほぼ定刻通りに発起人である岩間さんの挨拶で始まりました。>

「この会を呼びかけたそもそもの発端は、大変興味ある面白い記事を100回もありがとう、という気持ちからです。あんなに面白い記事を、しかもただで(笑)読ましてくれた伴さんありがとう、ということで後ほど堅苦しいお話でなくて結構ですから、皆様から一言ずつ伴さんに頂く時間も用意しております。・・・」

岩間孝夫さん
 

<伴武澄さんの経歴についての説明>
    http://village.infoweb.or.jp/~fwgc0017/rireki.htm

<田中宇さんの経歴についての説明>
    http://tanakanews.com/i1.htm News&Journal編集部

<明石安哲さんの経歴についての説明>
    四国新聞論説委員

 
1-2-1 祝辞

明石安哲さん(四国新聞論説委員)より

「はじめまして。今日は日本で一番小さな県である香川県から、世界で一番値段の高い橋を渡ってやってきました。伴さんとは18年前に、伴さんが共同通信の高松支に勤務していた時代に知り合ったのですが、ある種同志的な思いがあります。…」

 
「…今年の1月初め、高松にやってきて、当時私は四国新聞のコラムを1人で担当していたのですが、伴さんが、お前のコラムは最近つまらん、と言われまして、そして私が毎日書くのは大変なんだぞ、お前だってやってみろ、と言ったところ俺だって書ける、と言われたのが萬晩報のそもそもの生い立ちだった訳です。…」

明石安哲さん
 

1-2-2 祝辞2

田中宇さん(マイクロソフトNews&Journal編集部)より

「この中でマイクロソフトネットワークをご覧になって萬晩報にたどり着かれた人っていうのはどれくらいいらっしゃるのかな。(約半数が挙手)いますねー。…」

 
「…僕んとこはいつも2人でなんとか記事を書いているのですが、やっぱりどうしても休みたいときがあって、そうすると誰か外の人に原稿を頼まなくてはならないけど、お金がかかるんですね。最初は高いお金を払ってたんですがアメリカの本社の方からお前ら金の使いすぎだ-、というのがきまして、誰かただで書いてないかなと、そこで見つけたのが先輩の伴さんだったんですね。…」

 
「…こうして集まって横のつながりが広がることによって、今までなかったような人脈・情報がどんどん多様化していく、しかもお金のやりとり無しで、というのは全く新しい動きだと思います。…」

田中宇さん
 

1-3 本人挨拶

  伴武澄さん 共同通信

 「先日はサラダ記念日じゃなくてヨロズ記念日でしたが、今日は最も感激すべき日だと思います。昨日の夜に配信したのが約4300通、ヒット数は今頃9万の大台にのっていると思います。日によって、書いた材料によって伸び率は違うのですが、MSNNews & Journalのページに載った日の伸び率がやはり大きくて、メディアはやはり強いということを感じます。…」

 
「…インターネットの社会衝撃というのは基本的にただの世界だろうと思っています。サーバーを持っている企業や大学から発信すれば市内電話の回線料金もいらない。アメリカのネット社会が何故成功したかというと市内回線が基本料金しかいらないという事実があります。これはバンコク、香港でも同じです。ヨーロッパの事情を私は知りませんが、日本は相変わらず時間ごとに10円が加算されている世界です。いままではこの10当たり前だったのですが、ネット社会を大きくするためにはこれが障害になります。今まで知らなかったことが、日本社会が不都合になることによって新たにそうだったのかと驚くことがここ4、5年たくさんあります。…」

 
「…実は100日のうち1日だけ記事を書けなかった日があるのですが、これは肩書きに企業名を入れてくれるないわれた日です。最近は共同通信記者ではなくて、萬晩報主宰と書いているはずですが、社内の上からその声が来た日には深酒をして書けなかったそういうこともありました。…」
 

「…100号良く書けますね、とみなさんがおっしゃられますが、これは10年くらいの間に考えたり取材したことがフロッピーにありまして、そこを見れば使えそうな材料があるんですね。実はそのメモが種明かしだったんですが、使えそうな物はこれまでに8割方使い果たしてしまってですね、この先材料が少なくなってしまったんですよ。そうなると萬晩報を続けるにはどうするか、ということになりまして第2部から外部筆者にただで原稿をお願いしたり、読者からの論文を掲載してなんとかやってきた訳です。・・・」

 
「そこで皆さんにお願いなのですが萬晩報を支えて頂くために、萬晩報に対する感想文もうれしいんですが、ご自身の周りで起こっているようなことや、世の中の共感を得るようなことがいっぱいあると思うんですね。これはおかしいんじゃないかといつも考えている事、そういう事に対する原稿を私に送ってくれないかと、そしてそれを私の個人的な見方で取捨選択させていただく、という形になれば当面の次の目標である1年を達成できると思います。みなさんに、原稿の方も書いていただきたいとお願いして、挨拶にかえさせて頂きたいと思います。」

伴武澄さん
 

1-4 伴さんへ一言

<もともと一言だという主旨だったのですが、皆さんやはり主張したいことをたくさん持っておられる方達が大勢集まったということもあり、予定の3時を大幅に越えて4:30頃まで食い込んでしまいました。ここではそうした皆さんの声の中のごく一部を抜き出して紹介したいと思います。>

 
「これからも無理してがんばって欲しいです。」

「いつも目を開かれます。」

「初めてこのページを見つけた時は3時間ほど仕事ほっぽらかしで読みふけってしまいました。」

「札幌から時空を超えてやって参りました。」

「表現力を高めて頂きたい。」

「切り口が斬新です。」

「今までご苦労さまでした。」

「新鮮な印象を受けます。」

「形はどうであれ末永く頑張って頂きたい。」

「こういう世界もあるのか、・・・」

「伴さんは社内では最もデスク(いわゆる管理職に近い立場)らしくないデスクです。」

「共感を覚えます。」

「萬晩報(よろずばんぽう)をなんて読むのか今日まで知りませんでした(笑)。」

「魂が入っていると思います。」

「視点を頂いています。」

「髭面でバイタリティーの固まりのような人というイメージを持っていましたが、実は優男ですね。」

「ありがとうございます。」

「すばらしい。」

「データに裏付けられた論理的な文章を書いて欲しい。」

「業界を越えて情報発信ができるのがうらやましい。」

「体に気をつけて頑張って下さい。」

「共感を持ってる人がどんな人か会いたいと思ってやって参りました。」
 

2.意見交換「萬晩報の今後のあり方について」
 

<まず、有料であるべきか、無料であるべきかという議題がたたき台として挙げられました。以下はこの意見交換の時間でなされた会話の要約です。>

 

現在費用ははどれほどかかっているのか?
現在、伴さんの執筆エネルギーを除くと、継続的にかかっている費用はプロバイダーへの接続料金と電話代だけ。
それだけならなんとかなるが、毎日発行しようとすると、誰かに執筆を頼まなくてはならず、ただで頼むのは心苦しいのでせめて3〜5万の原稿料の支払いをしたいが、そうすると費用がかかる。
ということで有料の議論が発生した。
         −素案−1、一月500円程度の会費を半年ごとに徴収

2、ホームページの読者に対してはただで、メール配信の人に対しては会費をとり、特別会員とする。しかしその代わりにFORUMの開催のお知らせなどの配信などで差をつける。

3、完全に寄付制にする。

4、ヒット数を増やして広告をとり、収入を得る。そのために読者はホームページランキングに投票する。

 
<などの案が出されましたが、有料化するために生じる問題点もたくさん浮上してきました。>
 

       −有料の場合の問題点−

1、5,000人以上の名簿、会費徴収の管理が低コストで可能なのか?徴収係の人件費は?

2、現在無料のページを使っているが、お金を徴収しているとなると、プロバイダーへもお金を払わなくてはならなくなる。

3、有料にして、100円でもとると、権利関係が発生して、とどかないじゃないかという声が出る。

4、今まで会社の資源を使って蓄えてきた情報・著作物を使ってお金を稼ぐのは問題あり。(日本では著作権は会社に帰属する)

 
<などなど、お金を強制的に徴収するのは不可能なのでは、という観点から広告を取るという案と寄付を募るという案が残されました。また、続けていればただでも書くという人が現れるんじゃないか、という意見も出ました。しかしここで議論は新たな展開を見せます>
 
そもそも毎日の配信にこだわる必要は全然ないのではないか?
毎日だと質が落ちるのでは?
私は伴さんの記事が読みたいのだから他の記事は必要ない。
 
<読者がいる限り命を懸けてでも毎日書くべき、という意見もありましたが、毎日である必要は全然ないというのが多くの意見でした。ところが>
 
伴さんはどうお考えですか?
どのような形であれ、毎日または1日おきに配信しないと怠けてしまう。2、3日空けるとそれは4、5日もすぐに同じになり、どんどん怠けてしまう。
 
<というご本人の強い主張があり、>
 
これはそもそも伴さんのページなのだから伴さんが好きにすればいい。
そうだそれが当たり前なんだし
そしてその伴さんの作業のうちで、原稿の執筆も含めて例えばネットに関する知識など、お手伝いできることがあればしていこう
これからのFORUMの場は伴さんと読者、そして読者同志の意見交換・歓談の場所の提供を目的としていこうではないか
 
<という結論に一通りの収束を見ました。>
 

2.懇談

 ここからはビールを交え、立食形式(と言ってもスナック菓子などのおつまみがあるだけなのですが)で各人自由に伴さんや他の参加者との懇談が始まった訳ですが、この場でいつの間にか今回のFORUMの名称が決まりました。その名も傘会(ばんさんかい)。「さん」の字に関しては「参」・「賛」・「三」などの候補(中には「酸」「惨」「散」などもありましたが)の中から、ちょうど当日が雨であったこと、また某企業で広報部長をしておられる方が、これは「いろんな意味に取れていい!」と強く推薦されたことなどから「傘」が最終的に採用となりました。
 

また同時に今回発起人となりお世話して下さった岩間さんを傘会大阪支部長とし、東京支部長の選任も岩間さんに任するということが満場一致で採択され、東京での開催、果てはロサンゼルス分科会の開催(会長も決定!?)にまで話は果てしなく広がりました。

歓談の様子
最後に記念写真

<そして1時間半程の後、午後7時
 

「萬晩報をみんなが使える共有の場とすれば長続きもするだろうし、そうしたい。そうすればここから新たな情報発信ができるのではないか。これからも末永くおつきあい下さい。」というさんの言葉で会は閉会の運びとなりました・・・。

  萬晩報トップへ

=====================<編集後記>=========================

 今回はなるだけ、萬傘会ではどのような発言がなされたか、またどのような雰囲気で催されたのかを参加できなかった皆様に伝えようと構成するつもりでした。しかし発言内容・会話の流れはともかく、雰囲気がやや堅めに伝わってしまったかなと反省しております。内容にご不満の方もいらっしゃるかとは思いますが、ご容赦下さいませ。
 

 反省ついでに少々付け加えさせて頂きますと、今回は本当に手作りのFORUMでした。おつまみや紙コップなどは岩間さんが手配、配られた缶ジュースは田中宇さんが入口横の自動販売機で地道に1本ずつ買われたもの、ビールは伴ファンの1人で大阪市内の居酒屋「かぼちゃ」の女将からの差し入れ、最後の片づけも参加の皆さん自身でと、至る所に手作りがちりばめられた会でした。なんとなく雰囲気に対する印象を和らげて頂けました?

 

 私自身は、今回参加された方達だけでなく、お会いできなかった読者の皆様とお会いするためにも、今回の「晩傘会」が「最後の晩餐」とならぬよう、これからも出来る範囲でのお手伝いをさせて頂きたいと思います。

=============================================================