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 安倍内閣の支持率が高いのはアベノミクスのおかげで契機が回復基調にあるからだと思われているが、本当のところはそうではない。中国や韓国が日本に対して反日攻勢をかけてきていることに対して「毅然と対処」していることが国民の溜飲を下げているだけではないか。秘かに僕はそう思っている。しかし、これは国際政治から見れば極めて危険な徴候なのである。

 そもそも、リーマンショックに続く、2011年の東日本大震災で日本経済が大打撃を受けた。それから2年経って、経済が自律的に反転しただけのことである。もちろん日銀によるとどめもない「日銀券の大量印刷」によって円の価値が低下し円安が起きた効果も小さくないが、それは円ベースで見た錯覚でしかない。よく考えてほしい。円が安くなった分、ドルベースでのGDPは縮小しているのである。民主党政権時代と比較して目の子で20%程度縮小しているはずである。

 僕の20年の経済取材の経験からいえば、インフレを起こすには金利を上げるしかないと考えてきた。もちろん通貨の流動性を高めることによってインフレを起こすことも可能であるが。それを可能にするには、まず金利が数%以上あることが必須条件である。

企業の投資マインドは金利動向に極めて敏感であるから、お金がジャブジャブになっても金利が下がらなければ、誰も借りようとしないはず。金利ゼロのままで流動性を高めてもそれ以上に金利が下がることはないから効き目が極めて小さいということである。

もう一つ、日銀が市場にお金を放出しても、銀行が企業に貸し出しを抑えればまた意味のないことが起きる。日銀が出した資金はそのままそっくり国債消化の資金として消えてなくなってしまう。そもそも上場企業は70兆円を超える資金を内部留保として貯め込んでおり、投資資金はすでに潤沢に持っているのだから、日銀マネーに期待するところはほとんどないはずである。

市場が必要としないお金を潤沢に放出する意味はどこにあるのだろうか。まずは円安効果である。確かに輸出企業の業績は向上する。だが、賃金を上げない、配当を上げない日本企業は内部留保を積み増すばかりとなる。

結果、何が起きるか。その潤沢な資金は財政に廻るのである。つまり国債購入の原資となる。巡りめぐって財政はどんなに国債を発行しても金利が上がらないという不健全な経済を形成してしまう。この10年来、まさに政府と日銀がやってきてことである。

本来、借金自体、健全な財政運用ではない。財政法4条に建設国債以外は発行してはならないと書いてある。毎年々々、特例国債法を制定しなければならないこの国の事情がそこらにある。だが、どの国でも借金しなければ財政が廻らないという状況で国の借金を否定しても始まらない。

本来はギリシャのように借金を積み重ねれば金利が高騰して、経済が破綻し、国家財政そのものも破滅するのが正常な経済の動きなのである。日本の財政が破綻しないのは借金額が大きくても「国民の金」で賄っているからだという主張は確かに正しい。

だが、半面、日銀がゼロ金利政策を続けしかも資金を大量に市場に放出しているから「金利が上がらない」ために破綻していないに過ぎない。日銀は現在の金融政策を一切やめたとたんに、国債の金利が急上昇することは専門家であれば誰も知っていることである。

そんな単純なことを専門家たちがほとんど口にしないのはなぜなのか。僕は知らない。

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このページは、伴 武澄が2013年12月 7日 12:32に書いたブログ記事です。

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