失われた吉里吉里語辞典のアーカイブ事業

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 失われた吉里吉里語辞典のアーカイブ事業が進んでいることは知らなかった。明治学院大学の浅川先生が研究室が昨年から行っているもので、500 ページの電子データ化がすでに終わり、第二弾として、今後は現地調査で録音された「思い出」を文字として起こし,記録するアーカイブ化に入っている。

 そもそもが震災支援として始まったプロジェクトではあるが、浅川先生の呼びかけに応じた学生たちが作業を分担することによって、プロジェクト 推進のスピードが加速しているのだ。

 浅川先生のサイト http://www.asakawa.skr.jp/AsaLABOnew/ji_li_ji_li_yu_ci_dian.html によると、

 岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里地区で使われてきた「吉里吉里語」という方言を標準語で説明した辞典として『吉里吉里語辞典』が2007年に出版された。ところが,3.11の東日本大震災の大津波によって,そのほとんどが流されてしまった。

 2011 年6月,津波で流されたアルバムなどを救済するボランティア活動をしていた明治学院大学の学生が,津波で流された1冊の『吉里吉里語辞典』を発見してくれ ました。著者である関谷徳夫および息子の晴夫の許可を得て,それを東京に持ち帰り,1ページずつしわを伸ばしてスキャンし,全511ページの画像データを 作成した。この画像データを見ながら,一語一語手入力で入力し,電子データ化する「電子データ化プロジェクト」が始まった。

 結果的に134名の方がボランティアで活動に参加。11月20日に,電子データ化作業が完了した。このプロジェクトの面白さは、書籍の電子化の銃声をを多くの人に広げたことである。日本で図書の電子化が進まないのは、作家や出版社が既得権を手放したくないからである。

 ネット社会の革新性は「専門性」の喪失を余儀なくさせることだったはずだ。素人でも世界に向けて発信できることの重要性を既得権を持っていた人々はまだ分かっていないようだ。関谷徳夫さんが長年かけてこつこつとこなした努力を多くの人の参加によって一気に復刻できたものネット社会のもたらした革新であるのだ。

 復興支援。吉里吉里語。ネット社会。いくつかのキーワードがコラボレーションしてこのプロジェクトが進められているのが面白い。

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このページは、伴 武澄が2012年4月 7日 06:58に書いたブログ記事です。

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