【トビリシに来たニーナ20】カフカゼ通り

user-pic
0
2006年09月06日(水)
ギターボーカリスト 兵頭ニーナ
  カフェの左右50mぐらいのカフカゼ通りは食品店、パン屋、雑貨屋、ブティック、両替や等など様々な店舗が並び、その上レモン売り、コーヒー売り、チー ズ、漬物、花、野菜、きのこ売り等の露店が多く、とてもにぎやかで1日中人通りが絶えない。ちと下町風かな?でも通りの向こう側は何故か店もぱらぱら露店 は一軒も無い。

 カフェがオープンしてしばらく、入り口左でわずかな野菜や果物を売っているテムリにこの辺りの店舗を貸しているズーラが「お前はカフェにじゃまだ。場所を変われ!」とオーナー面して怒鳴りつけた。

 店の食材は殆どバズロバでまとめ買いをしているがたまに何か足りない時、テムリからパッと買えるので重宝している私は「ズーラさん、彼の野菜は店でも 買っていてとても便利なのよ。困るわ」と助け舟を入れた。以来、たまにカフェで食事をしたり水やトイレを借りに来るようになったテムリは1年前まで右隣り の店舗で八百屋さんを営業していたが採算があわず、やむなく外に出たのだと言っていた。

 通りには幾人かのおもらいさんもいる。年金では生活出来ない老齢者と身体が不自由な人、それからプロのグループ。これは赤ちゃんを抱いて座っているのと 人にすがってお金をもらうように教育された子供達とがいる。不思議な事にぐるぐる巻きにされて長時間抱かれている赤ちゃんが一度でも泣いたり起きたりして いるのを見たことがない。おもらいさんはトビリシ中にたくさんいるけれどみんな同じ、まるで息をしてる人形みたいだ。もしかして薬でも飲まされているの か?とこの頃疑うようになった。

 私が勝手に「通りのダンサー」と名づけた男がいる。30才くらいかしら?スリムで美男子、フラメンコダンスにぴったりの風貌で一方から走って来る車に向 かって2、3秒程パフォーマンスダンス、すかさず右手にもっている懐紙のようなものを運転席の窓に向かってさっと出す。特に女性ドライバーを狙っているら しく信号前で止まってさえいれば50%以上の確立でお金がもらえているようだ。いつもここを車で通る彼のファンは黙っていてもお金をくれる時もある。

 最初知らなかったが、テムリの話では彼は耳が不自由だそうだ。それでお金がもらえない時は奇声を上げて怒ったふりをする。休み時間いつも彼を観察してい たら目と目で何故か友達になった。時々カフェが暇な日は「彼のほうが確立がいいね」等と冗談がでる。

 そういえばまだ暑くてカフェにはハエが多い。タムリコに相談したら何とも懐かしい!天井から吊るす黒いハエ取り紙とハエたたきを買ってきた。いつの間に かすっかりハエ取り名人になった私に「サムライ」とあだ名が付いた。なんで?

 ある日突然カフェに数人の男がやってきてキッチンのガス栓を頑丈に止めてしまった。何て事だ!ガスが無かったらカフェの営業もできやしない。

 いったいどうした事かとガス検査員(というらしい)に説明を受けたら大家のズーラがガス泥棒したらしい。ヴィカに怒鳴られたズーラは早速、請求された分 銀行に振込みに行き3時間後にガス栓が開けられ一件落着したが、彼には大きな罰金も課せられるらしい。ガス泥棒なんて珍しい事じゃあないと後で聞いてまた またびっくり。しかしどうやってガスを盗むのかどうしても理解できない。

 時どき店先に立ってるマンジュをつかまえて「あんた何処からきたの?グルジア語は話せるの?ここでグルジア語を話せなくてどうするの?どれどれ教えてあ げるから・・・」と小さな親切大きなお世話なおばあさんがいたりしてなかなか楽しいカフカゼ通りでした。

 ニーナにメール mailto:nina2173@v7.com

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.yorozubp.com/mt/mt-tb.cgi/567

コメントする

このブログ記事について

このページは、伴 武澄が2006年9月 6日 12:02に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「対談:恨を解くキーワードとしての「出雲」」です。

次のブログ記事は「痛快だった万城目学の小説『鴨川ホルモー』」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

月別 アーカイブ

ウェブページ