世紀を越えて活躍する女優スー・チー

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2000年12月03日(日)
中国情報局 文 彬


 10月最後の日曜日の昼下りに、台湾・香港映画研究家である友人とともに青山にある会員制ホテルにスー・チー(舒淇)を訪ねた。彼女は東京映画祭に参加 するため、新作のロケ地・北京から東京に駆けつけてきたのである。友人は日本のスー・チーものの第一人者と自他ともに認めるほどのスー・チー通であり、 スー・チーがまだ無名だった頃から彼女を取材してきたから、もちろん数え切れないほどスー・チーと会っているが、私には初めてだった。そもそも、スー・ チーという女優の存在も2年ほど前にこの友人から教えてもらったのである。

  スー・チーに同行してきたスタッフとの約束時間にホテルに到着したが、先着の取材者のインタビューが長引いたため、隣室で待たされた。寒さが増 した秋の北京でのロケが辛かったとか、昨夜久し振りに渋谷のゲームセンターで思いっきり遊んだとかというスー・チーに纏わる秘話をスタッフからしばらく聞 いたが、客室に案内されたのは約束時間よりすでに30分ほど経過したあとだった。そして、通りすぎた廊下にさらに取材を待つ人が立っているところを見て、 スー・チーは日本でもすっかり有名になったなあと思った。

  170センチもある長身のスー・チーは普段着のままで化粧もとても薄かったためか、初対面の印象は親しみやすかった。有名女優にありが ちなわざとらしさも感じなかったし、来訪者の質問に時にはジョークを交えながら率直に、素直に答えるところは私が今までイメージしていたスー・チーの等身 大の再現だった。

  今、港台(香港と台湾)の芸能界でスー・チーほど幸運に恵まれた女優もさほど多くない。1997年第16回香港映画金像奬最優秀新人 賞、最優秀助演女優奬を獲得して人気女優になって4年もの間、ジャッキー・チェン(成龍)をはじめ、大物との共演が多く、「ガラスの城」、「ゴージャス」 などのヒット作にも相次いで主演していた。昨年の暮れ彼女が香港で「世紀を越えて活躍する10人」の一人に選ばれたほど大変な人気者になっている。そして 今も人気上昇中で、台湾と香港ばかりでなく、中国大陸、韓国、日本にもスー・チーものがますます歓迎されるようになってきた。(日本では日本コカ・コーラ からでているウーロン茶のCMにも出ている。) 

 一方、スー・チーはまた港台のパパラッチ(台湾や香港では「狗仔隊」と呼ばれる)の格好の狙いものでもある。彼女は高校在学中にモデルに なり、19歳のときに「プレーボーイ」誌にスカウトされてヌード写真が大ヒットだったし、映画界へのデビューも「三級片」(ポルノ)からスタートしたから である。そのこともあって、今は良い意味でも悪い意味でももっともセクシーな女優としての印象が拭い切れず、一挙手一投足も芸能メディアに大きく取り上げ られているし、過去のポルノものも正式なルートと海賊的なルートから大量に出まわっている。

 だが、港台映画界の頂点に達したスー・チーはそんなことはさほど気にしないようだ。雨の日に追っかけてきてレストランの外でずっと待って いるパパラッチをかわいそうに思い、中に呼び入れて一緒にビールを飲んだこともあった。また、空港で後ろにいる人に「あの人が「三級片」のスー・チーだ」 と囁かれたとき、彼女はすかさず振り向いて「その通りです。人の陰口をいうときは相手に聞こえないようにしてください」ときっぱり言い返したそうだ。

  中国語版「ヴォーグ」6月号の表紙モデルにスー・チーが採用された。本文にも彼女のセクシーな写真と無名のスー・チーを栄光の桧舞台に 導いてきたマネージャーの文雋の手記が紹介されている。文雋はスー・チーのことをこう評価した。「スー・チーは一筋縄ではいかない性格。こちらも負けてな いから、衝突はよくある。自分の娘みたいに思っているけど、時々とらえどころがないような感覚に陥る。彼女は典型的な牡羊座だ。衝動的で情熱的、あまり後 先を考えずに行動を起こすタイプ」という。

  訪問終了時、客を見送るスー・チーに私が彼女の原籍を聞いたら、「福建省です」と答えてくれた。そういえば、確かにスー・チーの顔に南 国福建省の女性の面影があるような気がしていた。彼女は1976年生まれで25歳。間違いなく世紀を越えて活躍する人になると思っている。


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 文さんにメールは mailto:bun@searchina.ne.jp

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このページは、伴 武澄が2000年12月 3日 09:19に書いたブログ記事です。

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