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衆院選によせる読者の声(3)

2003年11月07日(金)
萬晩報主宰 伴 武澄

■政権交代より政界再編&世代交代 延嘉隆 30歳 福岡県

私は、加藤紘一の秘書を努めた後、山崎拓前幹事長の秘書を努め、昨年10月の衆議院福岡6区補欠選挙に出馬し落選した延嘉隆です。現在は、連座制(出馬制限)の適用を受けております。今回の総選挙への出馬はしておりません。

さて、数日後に投票を迎える総選挙。最大与党自民党は、改革政党への変化を打ち出し、政策実行能力を主張、一方、最大野党民主党は、政権交代を唱えます。その最大の焦点とされているのがマニフェスト。私は、従来型の曖昧なスローガンを唱えるだけの選挙から、ある程度の責任が伴うマニフェストというものを通じて、より政策的な議論が行われることには賛成であります。

しかしながら、今、我が国が置かれている国際状況、地方の現状を直視した時、単に、短期的な政策目標であるマニフェストだけを持って、国民に全てを問い掛けることに対し、一つの疑問を抱かざるを得ません。それは、この日本という国のあるべき姿、国家像の欠落ではないでしょうか。地球という星のなかで、我が国がどのようにあるべきなのか、そして、私たち日本人とは何なのか。いわば日本人としての魂が込められていない政策など、単なる、文字の羅列でしかありません。

 各党の政策を熟読する限りにおいては、少なくとも私には、日本という国がどこに行こうとしているのか、その明確な答えを見出すことが出来ません。例えば、総選挙の重点政策の一つ、イラク新法の問題を考えた時、今まで、我が国が、戦後歩んできた平和への道筋とは異質なものであり、国民的な議論が行われること無く、国家の質が変貌しようとしている現状を憂います。

だからこそ、我が国が、そして、私たち一人一人の日本人が、この日本という国がどうあるべきかという国家像やアイデンティティーを議論することなく、帳面けしの手続き論だけが先行する今の政治の現状に、一人の日本人として警鐘を鳴らしたい。

同時に、60%前後と予想されている低投票率が物語るのは、既存政党による政治に対する不信感そのものだと考えます。最大与野党が、政策的にも、また、政治理念的にも党内に矛盾を抱える状態での政権交代に意味があるのであろうか。私は、政権交代の前に政界再編、そして、世代交代に期待したい。
http://www.nobuyoshitaka.com/


■今こそ反戦の声を統一しよう! 太田光征 37歳 千葉県

皆さん、民主党に「幻想」を抱いているのではないですか?確か6割が改憲派ですし、傀儡政権に成り果てる可能性の高いイラク政権の「要請」に基づく自衛隊派遣を認めるなどという国民騙しを犯そうとしているのですよ。

これは民主党がアメリカ追随政治を続けることの証です。小泉首相はイラク復興資金と称してアメリカ企業に来年1650億円もくれてやるそうですが、民主党
も基本的に異論はないのです。

また民主党は技術が未確立の1兆円規模のミサイル防衛を導入し、アメリカ軍需産業を喜ばせ、北朝鮮に核開発の口実をあたえるという。こんなことで景気回復ができるって? 民主党は選挙後に憲法問題で分裂する確立も高いでしょう。比例定数80削減による二大政党制の画策は、後戻りのできないアメリカ型企業中心政治への道を敷くものです。

 今回の選挙の最大の争点は、民主党への政権移譲などではなく、反戦、すなわち憲法擁護とイラク派兵阻止ではないですか?


■50%バリア論に賛成 石川洋 63歳 岩手県

50%バリア論に賛成。国によってがすでにやっているはず。その前に、NHKが発表する:「開票率1%:当然確実}という報道を禁止すべきです。1%も開票しないのに、結果がわかるならわざわざ俺が出向くまでもない、と思う人は大勢いる。民報はご自由にどうぞ。


■違和感を持つ「読者の声」  匿名 埼玉県

いつも読ませて頂いております。読者の声(1)、(2)と読んでいて非常に違和感を持ったので私も意見を送らせていただきます。

一番大きな違和感を感じたのは低投票率への対応の問題です。50%を切ったところの議席を無効にせよという意見には全く賛成できません。というより怒りさえ覚えます。つまるところこの意見は投票所へ足を運んだ有権者の選挙権を奪えということに他ならないからです。投票をさぼった人間のために投票した人間の権利を奪うという発想がなぜ出てくるのでしょうか。

投票しなかった人間は自らその権利を放棄したのだから、そこで決まった結果に異議を差し挟めないのは当然であり、彼らは選挙権を行使した人々による選挙結果を受け入れるという白紙委任をしたと考えるべきです。だから、別に少数の人間で議員を選んでいるわけではない。いや、それは違うと棄権者が言うなら投票しなさい、それだけのことです。だから、投票をした人の権利を奪うような提案はやめて頂きたい。(江戸時代の5人組じゃあるまいし、さぼった人間との連帯責任をとらされるいわれはありません。少なくとも私はいやです)

第二の違和感は、自民党を倒すことが正義であるというような論調が多かったことです。自民党政治に批判点は多いですから、そこを指摘するのは当然だと思いますが、倒したあとのことをどのくらい考えているのでしょうか。政権交代さえすればうまくいくという幻想は、既に過去の実績によって裏切られているじゃないですか。自民党の後の政権がどれくらいの政治をやれるかを見極めた上でならいいですが、まず倒してみよう、は無責任と思います。小沢氏に期待する声も多いようですが、彼は一体この10年何をやってきたんですか。これも実績をみれば明らかだと思いますが。

いずれの点も私個人の違和感です。ふたつとも萬晩報の読者層からすれば少数意見なのでしょうね。しかし、ここで3つ目の違和感が出てきますが、ここの読者層は一般国民の感覚と随分違うのかなぁということです。これまでに掲載された声が一般の声ならば、自民党政権なんかとっくに雲散霧消しているはずですから。

それではおまえはどう考えているのか、と問われれれば、「まだ小泉に期待します」ということです。明らかに従来の自民党の枠を壊してその中で新しいものを作れるだけのパワーはまだあると思っているからです。


■公約を破れば落選するという事実を作り出す以外にない 田島 隆

伴氏は今回の選挙を「四つに組んだ大相撲」に例えられましたが、はたしてそうでしょうか。マニュフェストという単語は目新しい言葉ですが、今までの選挙公約です。それを実現時期などを付け加えただけのものに目新しい名前をつけただけのものだと思います。

私は細川内閣から村山内閣までを見てきました。鈴木宗男氏から松浪健四郎氏まで見てきました。消費税反対を公約した党が消費税に賛成したのを見てきました。昨日まで不倶戴天の敵だった野中氏が今日になったら伏してお願いすると言ったのも見てきましたし、公明党をくそみそに言っていた熊谷氏があっという間に豹変するのも見てきました。

選挙公約は公の約束と書きます。ところがその公約はあっても無いに等しく、彼らは自分の都合(政党助成金をもらうため、閣僚になるため、自分の勢力を強めるため)で公約をいとも簡単に投げ捨てています。「公約」なら投げ捨てるが「マニュフェスト」なら守るのでしょうか。そんなことはあるはずがないではありませんか。 あるとすれば、公約を破れば落選するという事実を作り出す以外にありません。

だが、そういう事実を作り出すことはますます困難になっているように見えます。なせなら、マスコミはそういうキャンペーンは絶対に張らないからです。
 
もっと大きな問題は自民党と民主党のあいだに伴氏が言うような四つに組んだ対決点があるのでしょうか。

憲法を変えるか変えないかなら分かります。
選挙制度を小選挙区制にするか比例本位にするかなら分かります。
消費税を上げるか下げるかなら分かります。
安保条約とまではいかなくとも、外交政策の大幅転換(少なくともイラク戦争をやめなさいぐらいは言ってもいいのではないか)をするかどうかなら分かります。

ところが、これらの問題では自民党も民主党もほとんど同じことを言っています。これでは似たもの同志の選挙だと思いますがどうなのでしょう。本当はこれらの問題こそ四つに組むべきことだと思いますし、これからの大きな問題はこれらと関連しておきてくるに違いないでしょう。このように考えたとき、今回のマニュフェスト選挙は全く評価できません。


■不完全な民主主義国家 真勢大輔 26歳 札幌市

今回の選挙にはマニフェストが全面に打ち出されていて嬉しい限りです。政党とは本来「同じ政策を持つ政策集団」であるはずなのに、現在の日本の政党は同じ党内でも大きく意見が分かれ、場合によっては他党の党員の方が近い政策を持っていたりするおかしな状態です。一体何の目的で同じ党を構成しているのか教えていただきたいくらいで、利権が深く絡んでいるのであろうと疑いたくなります。

民主主義とは国民が政治の方向性を決める事ができる制度であるはずです。今の日本の政党の在り方、達成したかどうかの判断のできないような曖昧な公約、そもそも公然と公約を無視する政治家。このような今の日本の政治制度が本当に民主主義と言えるのでしょうか。正直現在の日本の制度は民主主義の体を成していないと思います。国民の意見を反映させるための方法が存在しないのですから。

戦後の日本の政治制度はGHQが作ったものを基としていて、自らの手で作り上げたものではありません。そして戦後の国作りも、自分の手で作ったものが半分、アメリカの国力に依存したものが半分、と他人任せな国家運営の側面が多分にあります。今の日本の政治、ひいては日本そのものが、他人に甘えながら作られてきたものになってしまっています。そんな状況だったので日本人自らで民主主義を作り上げてこなかったのです。そのつけが今の不完全な民主主義として残ってしまったのだと思います。

マニフェストと言うものは、従来の公約と違い達成されたかどうかがきっちり判断できる「成績表」の役割があります。国民の民意がきちんと反映されるための民主主義の最低限のルールです。今回、各党が示したマニフェストはまだまだ完全なものとは言えませんが、それでも今回の選挙を皮切りに、どんどん成熟させていかなければならないと思います。日本が成熟した民主主義国家として、国際社会の中で一人前の役割を果たせるようになるように期待しています。


■名古さんの「50%バリアを」に賛成 おぎはら 35歳 神奈川県

いつも楽しみに拝読してます。今回は特に興味を持って読んでいます。

まずは名古良輔さんの「50%バリアを」には私も賛成です。(ちなみに、最近の朝日新聞の「声」の欄でそっくりな文章を観ましたが、同じ方ですか?)そして、それに寄せた方々の意見にもまた賛成です。ただしその場合、投票権を持たない未成年者や、在日の方への配慮も改めて考えなければならないと思います。

それから、匿名 63歳の「西宮市無党派が増えるのは政治のレベルが低いから」には拍手を送りたいです。中でも 「官から民へ」ではなく、「官は官で正しながら、民を育てる」のが政治なのではないか は天声人語の最近の言葉に載せたいほどです。

ところで読んでいて興味深かったのが、皆さん一様に「打倒自民」であること。おそらくは民主党応援。私もその1人には違いないのですが、本当のところは、共産か社民を応援したいのです。ただし、現在彼らに任せられるとも思わないし、もし政権を取ったとしても現在の政治をぶっ壊す前に彼らがぶっ壊されてしまうでしょう。ぶっ壊すという意味では、数年前まで共産を応援してたことがありましたが、野党の仲間入りをしたとたんに影が薄くなってしまった。所詮その程度だったかと、ちょっと残念でした。

それでも自民党支配からは抜け出したいので、今回は消去法的に民主応援という形になります。

郵政民営化は最初から反対ですし、小泉氏が民営化してる国へ視察に行った際に、褒めるところがなくて仕方なくポストを褒めていたというマヌケぶりは忘れられません。有言実行は見た目カッコイイですが、国益にならないことが判ったらその場で陳謝して、最善の道を探る勇気こそ必要なのだと思います。小泉氏は猪突猛進型で、最初から危険視してましたが、イラク問題などは既に取り返しのつかないところまで来てしまっている気がします。そのくせ、国民が望んでいることは何一つ出来ていないとも思う。

今回他に、道路・年金など、争点が色々ありますが、私個人的には、何よりもまず「その年の予算は年度内に使い切らなければならない」というワケノワカラナイ制度の取り消しをしてもらいたいです。業績を内容評価できれば、少ない予算が良いに決まっているし、余った予算を翌年に回すなり、赤字の補填にするなり、次に必要な事業に回すなり、いずれもオープンにするのは当然ですが、市民参加型予算に出来れば、より行政が身近になり地域活性化にもつながると思うのです。

閑話休題、まずは自民党支配を抜け出し、新政権樹立を望みます。出来ればアメリカに対して「Noと言える日本」になってもらいたいところですが。正直、菅氏と民主党にそこまで期待はしてませんが、細川政権の二の舞にならない為にも彼らが頑張ってくれることを切望するばかりです。まずは白紙票でない投票をしないと何も始まらないのですけど。


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